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満天の流星
宇宙よ。
11月19日午3時37分 富士山二合目 西臼塚
ペンテルシュタットの獅子座流星群が、今年確実に日本から見えるとTVやラジオで情報が流れていた。今度こそ写真にしたいと思い、場所を考えた。
流星は東の空という。ならば本栖湖や朝霧高原に陣取れば見える確率は高まるが、誰でも考えそうなこと、きっと人であふれかえるだろう。
何処にするか...。もっと条件が厳しくて素晴らしい情景の場所が良い。
そうだ、富士山の中腹で南から北の空を見よう!。
その場所に案内をしてくれたのは富士連の人達、計7人でその草原に立った。流星の飛来まで未だ6時間有る。車に戻って仮眠を取った。エンジンをかける者など誰もいない。そして午前1時半に目が覚めた。
さっきまで少し湧いていた雲はきれいに取り払われ、夜空に隙間の無いほど散らばった冬の星座が待っていた。富士山のずっと上は北極星、不動のこの星がドラマの主要な位置を占める。
この星が古来から人類に道しるべを示してきた。今、私は北極星を正面に、オリオン星座を背中に、宇宙の彼方から飛来する獅子座流星群を待つ。気温は丁度零下になった。暖かい。地球温暖化が進んでいるのが分かる。一昔前は富士山中腹ならば零下6〜7℃が普通だった。
午前2時、開始を知らせるようにピューンと大きな光が東から西に流れた。そして天空のドラマが始まった。飛んでくる位置に合わせてカメラをセットするのではない。南から見る富士山とその上空のみにカメラの角度を固定して、そこに入ってくる流星だけを取り入れるのだ。
東の空に流星発生の中心がありそこから四方八方に星が飛ぶ。歓声が上がる。中腹の五合目には天体ショーを見に来た車のライトが見える。それも含めて全部を草原から見ている。地球と北極星を軸に天体が回る。さっきまで水平だったオリオンは南の空で水平になった。
降り始めた。雨のようではなく少しの間隔を持って、音がするように。
この瞬間、大気と、宇宙と自分が調和しているのが分かる。露出時間は30分にした。これなら星の軌跡はは北極星を中心に円軌道を描く。そこに斜めに流星が飛び込んでくれば絵が出来る。予めイメージは出来ていた。あとは天の恵を待つのみ。
無限宇宙の幾億の、
中に生まれた太陽系、
銀河の中の奇跡星、
地球に生きて恵み有り、
自然の摂理に感謝して、
ときめきの富士ここにあり。
現像が上がって嬉しかった。生きていること、生かされて天命のあることに感謝した。
この夜、全てのことがある一点で調和し、私はときめきに出会った。 |